箱根【養生館はるのひかり】でひとりゆる湯治

宿泊記

「逗留湯治」をコンセプトとし現代湯治ができる宿
箱根湯元温泉【養生館はるのひかり】

年末年始の暴飲暴食で
疲れた胃腸をリセットしたい!

夏バテ気味でなんだか食欲があんまりない…

最近忙しくて、なんだか疲れ取れない~

そんな時私は、ひとりでゆるっと湯治したくなり
こちらの宿を利用したくなるのです。

2016年に初めて訪れてからは
身体の調子を整えたい時や
何か集中したいときに利用しています。

近年はリピーターも増えているのでしょう。
平日以外は早めに予約しないと
空室はなかなかない状態も多く
利用頻度は減ってしまっていたのですが
久しぶりにゆる湯治が叶いました。

養生館はるのひかり

【養生館はるのひかり】は
温泉と食での「養生」を旨としており
基本的には逗留(連泊)を推奨している
逗留湯治」の宿です。

一般的な温泉旅館とはちょっと違うこの宿…

いちばんの特徴は食事です。

温泉旅館の豪華な食事ではなく
「病は気から、元気は胃から!」
という考えのもと、胃の負担を軽くする
玄米を主食とした野菜中心の「養生食」になります。

たくさん食べなくても得られる満腹感と
薄味でも美味しい滋味深い味にハッとさせられます。

温泉は源泉浴をあつ湯とぬる湯で楽しめる
こだわりの浴槽づくりをしており、
露天風呂はありませんが
季節により半露天にもなる内湯のみの
とてもいいお湯を堪能できます。

また、ひとり旅好きには嬉しい
「おひとり部屋」があり
ひとりでも「和室」「洋室」「和洋室」と選べるひとり旅に優しい宿です。

いつも女性のおひとりさまが絶対に数名いる印象があります。

HPでの予約受付は2名まで。
3名以上のグループは件数制限しているようす。

そんなところなので滞在中は騒ぎ声など一切せず、
とても静かに過ごすことができます。

養生館はるのひかり-トップページ

箱根湯本駅からのアクセス方法!

バスで行く2通りの方法

公共交通機関だと箱根湯本駅からバス利用になります。

バスは2通りあり、両方とも東口バスターミナルからの乗車です。

◇旅館送迎シャトルバス
(100円の乗り合いバス)
早雲通り線

バス停はポール

乗るときに宿泊施設名を運転手さんに伝えると止まってもらえるというシステム。
名前の通り「旅館送迎目的」のバスです。

14時台が45分の1本のみ。

だいたい15時チェックインのところがほとんどですから、この時間に利用が集中していつもかなり混み合っている印象があります。
(結構ぎゅうぎゅう)

箱根湯本温泉観光協会HPより引用

私は混雑を避けるため
路線バス「箱根登山バス」をいつも利用します。

◇箱根登山バス
[4番のりば](旧街道・甘酒茶屋経由)上畑宿・元箱根港行き/(新道・畑宿経由)元箱根港行き

曽我堂上」下車 徒歩1分

箱根登山バスHPより引用

運賃は240円と100円乗り合いバスより高くなりますが、混み合うことなく快適移動ができます。

バスの運行状況は変更などもあります!必ずお出かけ前にHPなどで最新情報をチェックしましょう!

☟箱根登山バスHP☟
https://www.hakone-tozanbus.co.jp/kanko/yumoto/

☟箱根湯本温泉観光協会HP☟
http://www.hakoneyumoto.com/

徒歩で行けるのか

Googlemapで検索すると、このように1㎞16分となっているので余裕で歩けそうですが、
はるのひかりのHPでは徒歩での来館は推奨していません!

ここは箱根。
平坦な道ではなくかなり勾配のキツイ上り坂を歩くことになります。

季節やその人の体力にもよりますが、
荷物を持って歩くには大変かと想像します(゚∀゚)
(私はバスでしか行ったことがありません)

帰りは下りですし、近道も教えていただけるようなので、いい季節には徒歩で戻るのも気持ち良さそうです!

館内施設いろいろ

風情ある素敵なロビー棟

茅葺屋根のロビー棟を入るとタイル張りの土間になっています。


釜土がお出迎え

こちらでチェックイン手続きをします。
ウェルカムドリンクに、自家製生姜シロップをいただきました。

館内、お風呂、帰りのバスなどの説明を丁寧にしてくれます。

昭和21年開業当初は、竹藪の中に「茶室」一棟の一日一組の「春光」という宿だったのだそうで、その趣から「雀のお宿」と呼ばれていたとか。

時代とともに増築し創業70年で改築リニューアルし、現在の逗留湯治宿になったのです。

恐らくこのロビー棟が「雀のお宿」だったのでしょうね。

風情があって好きです。

ラウンジとしてここでもくつろげたらいいな~といつも思います。

ロビー棟を出ると中庭のようになっていて「ほたる水路」があり、6月にはほたる鑑賞ができるようです。

食事処の「楽庵」があり食事はこちらでいただきます。

コーヒーもいただけるモダンな読書室

宿泊棟へ。

1階に「読書室」

モダンで素敵!

ソファの真ん中にはパーティションがありました。

宿のコンセプトに合った温泉や腸活関係の本が少し置いてあります。

図書室ではないので本は飾ってある程度しかありませんし割と古そうでしたが、
古めの「日本の名湯ー東日本」は興味をそそられました(*’▽’)

コーヒーマシンと紅茶があり、料金はBOXに100円を投入するスタイル。

紙カップと蓋もあるので部屋に持ち帰りもできます。

ブランケットがあり、コーヒーを飲みながら静かに読書もいいですね。

必要なものはセルフ!共用の水屋で調達

山の傾斜に建つ4階建ての宿ですが、エレベーターは無く階段をせっせと上るしかありません。

年配の方とすれ違うと息を切らしながら上がっていました。

2階の浴場の近くに自動販売機があります。

ミネラルウォーター、炭酸水、ビール(エビス・サッポロ・スーパードライ)

種類は少なく、スポーツドリンクやジュース類はありません。

はるのひかりはセルフサービスが基本。

3Fにこういう共用部があります。
製氷機などがある水屋です。

グラス、氷入れ、トング、栓抜きは必要であればここから持っていきます。

歯ブラシ、コットンは浴場とお部屋にもありますが連泊の場合は自分で補充。

ヘアブラシはお部屋にはなかったので持っていく必要があります。

補充用お茶パックもあり。

缶、ビン、ペットボトルなどのゴミはここに捨てましょうスタイルです。

部屋は4階なので、水屋を通り過ぎ階段を上がります。

ひとり利用できる部屋

ひとり利用できる部屋は3種類あります。

  • Bタイプ 和洋室ツイン(個室書斎付き)
  • Aタイプ 和室10畳間
  • おひとり部屋 セミダブル洋室

それぞれ利用したことがありますので紹介していきたいと思います。

Bタイプ 和洋室ツイン(個室書斎付き)

Bタイプ 和洋室ツイン(個室書斎付き)の「富士」を利用したことがありました。

踏み込み

館内用スリッパがあります。

正面にお手洗い
ウォシュレットで手洗い場・タオルあり

右に入ると寝室

左奥に主室となります

16畳和室+広縁ロッキングチェア付き

ひとりでは十分すぎる広さ!

お茶とお茶請けのお菓子におしぼり。

加湿空気清浄機と除湿機…
除湿機は館内いたるところに設置されてるんですよね。

正直、1階の浴室周辺の廊下は結構カビ臭い。
ここの立地と古い建物ということがあるのだと思うのですが、できうる湿気対策はいろいろとされている印象。

なかなかの悩みどころなのではないかと感じます。

広縁にロッキングチェアとサイドテーブルがあり、ここで本を読んで過ごすのが好きです。

広縁の押し入れにハンガーラックがあり、羽織がかけてありました。

ひざ掛けがあり、冬期に食事処に行くときなど羽織りだけで寒ければこれを羽織るよう説明がありました。

毛布もあってごろ寝に使えてうれしい!!

金庫はダイアル部分の外された鍵をかけるだけタイプ。

浴衣・バスタオル・フェイスタオル
足袋や靴下はありません。

予約時に身長の入力があるので合う浴衣を用意してくださっているようです。

入り口側に寝室。

読書灯付き

枕が2種類ありました。
建具とレトロな照明が素敵でいい感じ!

主室の奥に洗面と書斎がありました。

ケトルと保温ポットはここに。

ドライヤーはどこのメーカーか分からないけど、ちゃんと風量のあるものでした。

歯ブラシ、コットン綿棒セット

うがい用カップは穀物からできているエコ素材。

書斎は洗面の対面にありました。

省スペースですが十分な大きさのデスク。
正面が窓なのが明るくていいし、気分的にも気持ちいいですね。

背面大きめデスクチェアーとデスクの下にフットレストまで!

デスクライトと書類ホルダーまであります。

しかも、共用ではなく各お部屋毎に完備されている「個別Wi-Fi」があり、セキュリティ面でも安心。
LANケーブルもありました。

書斎用のエアコンと加湿空気清浄機もあるし、ワーケーションに最適なのではないでしょうか。

ちなみに「お一人逗留プラン」というワーケーションに最適なプランもあるようです。

Aタイプ 和室10畳間

10畳間+広縁なのでじゅうぶん広いです!

和室にもロッキングチェアがあってうれしい!
ちょっとした作業スペースもあります。
ケトルはここに。

お茶請けのお菓子とお茶セット

備品類は同じで、夏は扇風機があります。

洗面スペースにタオル類と浴衣・羽織が用意されていました。

アメニティーは同じです。
保温ポットとドライヤーもあります。

お手洗いも清潔でウォシュレット付き

おひとり部屋 セミダブル洋室

おひとり専用の洋室があるのですが、
こちら人気のようでなかなか予約できず
写真が2016年のものしかありませんでした(;^ω^)

なんだか画質悪いですね。

フローリングの洋室にセミダブルベッドの部屋です。

お気に入りのロッキングチェアではありませんが
このチェアも快適でした。

デスクがあり、ワーケーションにもよさそう。

テラスがあり、チェアとテーブルもあって気持ちいいスペースでした。

このとき以来、洋室は利用できていないので
また早め予約して記事更新できたらと思います。

源泉をぬる湯と熱湯で楽しめるこだわりのお風呂

お風呂は1階と2階にあります。

夜20:00までは2階の浴場が女湯です。

シンプル脱衣室。

貴重品BOXと濡れても大丈夫な本。

【温泉分析表】
ナトリウム・カルシウムー塩化物。硫酸塩温泉
泉温54・2度

奥に洗面台

アルコール消毒液・各種アメニティー・ドライヤー(2個)あり

一番乗りの浴室へ

カランは3つかと思いきやシャワーは手前2つだけ。

シャンプー・ボディーソープは無添加せっけんのものです。

浴槽は3つに分かれており、一番奥の浴槽に源泉が投入され、手前の浴槽になるにつれてだんだん湯温が下がるという仕組み。

仕切りの底の部分に穴があって、少しずつ隣の浴槽に流れて湯温が下がるんですね。

しかも源泉が投入される湯口は浴槽の中。
お湯が空気に触れずに投入されるので、
鮮度の高いお湯を楽しむことができます。

決して多くはない湯量の温泉を工夫して大切に使っているこだわりを感じます。

浴室自体はコンクリート打ちっぱなしという珍しいつくり。

夜は照明が暗め。
天井からポタポタと落ちた水滴が浴槽に落ちると波紋が広がり、幻想的な雰囲気になっていつまでも見ていられます。

暗めの照明と打ちっぱなしの浴槽だからこそ、あんなに波紋がキレイに見えるのだと思います。

夜20:30に浴場の男女入れ替えがあります。

1階浴場は2階より少し小さめ。

いい雰囲気の入り口

脱衣所も2階よりコンパクトです

浴槽は2つに分かれていて左側が熱湯になります。

外の池は昔は露天風呂だったのだとか。

1階も2階も暖かい季節になると窓が開放され「半露天風呂」になります。

熱湯とぬる湯に交互につかっていると、あっという間に時間が過ぎます。

滋味深いシンプルな「養生食」

2022年1月の夕食

夕食は18:40から食事処「楽庵」でいただきます。

時間はチェックインの時点で決まっていました。


大きな梁と土間つくり。

左側には半個室席があり、右側にはカウンター席・大きなテーブル席・対面2人席・4人テーブル席があります。

ドリンクメニューはこんな感じ

お酒も色々あるんですよ!
なかでも果実酒は自家製で種類豊富。

自家製シロップのノンアルコールサイダーも。

こんな感じでサラダ・胡麻豆腐・金柑の蜜煮・風呂吹き大根は火が入っている状態でセットされています。

揚げ物・椀物・ごはんは温かいものを席についてから配膳してくれます。

自家製のものがいろいろあって楽しい!

旨辛味噌は風呂吹き大根につけてみたり、ゴマ塩は玄米にかけて食べました。

毎日発芽させてから炊くという玄米は噛むほどに甘くておいしい( *´艸`)

玄米ご飯はおかわりできます。

甘み抜群の野菜サラダ。
豆乳ソースの酸味とまろやかさがおいしい…

風呂吹き大根に酢味噌がついていたんですが、これがまた美味しすぎた!

もっと食べたかった~!

揚げ出し豆腐も薄味なのに、いい味でホント美味しいんですよね。

味付けってこれくらいがいいんだな。

いかに普段濃い味で食べているか再認識させられます。

甜菜糖を使っている羊羹。
甘さ控えめでサッパリいただけました。

なんだか物足りなそうな感じがすると思いますが、食べ終われば意外とお腹いっぱいになるという不思議。

「食」の大切なことを教えてもらえる感じがします。

2023年7月の夕食

もろこし豆腐 モロヘイヤの出汁醤油が夏メニューって感じ。

揚げ物は大根おろし餅のあられ揚げ

一個食べてから写真撮りました(;^ω^)

デザートはずんだ餅でした!

2022年1月の朝食

朝食は8:30。
「楽庵」で夕食と同じ席でいただきます。

時間は9:00にすることも可能とのことでした

一番右にあるグラスは酵素ドリンク

食前にいただきます。

食後にハーブティーがいただけます。

自家製「藁苞納豆」とはこれ☟

見慣れた納豆とは違う見た目ですが、ちゃんと納豆の味と香りがします。
栄養価めちゃめちゃ高そうな気がする。

朝は玄米ではなく雑穀ごはんです。

本日の焼き魚は「エボ鯛」身がほろほろ柔らかくて美味しい…

たたき牛蒡は胡麻たっぷりで最高だった!

食後にハーブティーをいただきました。

本日のハーブはローズマリー・レモングラス・アップルミント

この朝食、毎日食べていたら健康でいられそうな気しかしない。

2023年7月の朝食

この日は鯖の塩焼きでした!

最後に

朝食後は読書室からコーヒーを持ち帰り、
チェックアウトまでのんびりします。

宿のコンセプトから、一般的な旅館とは異なるサービス面や食事内容で好みは分かれそうな宿ですが、首都圏から近い箱根でここまで湯使いや食事にこだわっている宿に
1人泊で1泊一万円台で泊まれる」
「休前日も料金は変わらない」
というのは、なかなか貴重です。

建物の古さで気になるところはありますが、モダンに改装されていて清潔でキレイです。

生活習慣や食生活の見直し、仕事に集中する環境としての滞在にも適した「こういうのもいいな」と思える宿だと思います。

またリセットしたい時や、調子を整えたい時はこの【養生館はるのひかり】で過ごしたいと思います。