「写真を撮ること」が趣味になってから、写真関連の本をよく手に取るようになりました。
カメラの操作方法、写真撮影においてのテクニックの解説が載っているような指南書も読みますが、写真に関わるエッセイ本なども結構好きなんです。
この「美しい風景写真のマイルール」は、7人の写真家たちの「風景写真を撮る時の自分なりの考え方やこだわり」を紹介している本です。
なんだかこの本、フジテレビ系列のドキュメントバラエティー番組「セブンルール」みたいだと思いました。
この番組は多方面で活躍している女性に注目し、彼女たちの仕事や日常においての「7つのマイルール」を通してよりよい人生を送るためのヒントを伝える番組です。
私自身「働き方」「生き方」のヒントをもらえている気がするし、「こういう考え方いいな」と感銘を受けたりしてとても好きでよく観ています。
私は写真を趣味として楽しむようになり、1年程度になります。
最初は何をどう撮っても楽しかったのですが、最近は「一向に上達している気がしない」「いつも同じような写真でつまらない」「自分はどういう写真が撮りたいのか」「自分らしさのある写真とはどんな写真か」などと、ごちゃごちゃ考えるようになっていました。
趣味なんだからもっと適当に楽しめば?
と思う方もいると思いますが、私は趣味も「それなりに真剣に取り組むことで、より一層充実する」と思っているのでそれなりに真剣にやりたいのです。
そんなときにこの本を見つけました。
この本は「風景写真がうまくなる49のヒントとアイデア」というテーマで、いろんなタイプのプロの写真家たちが「プロとして行っている」マイルールの紹介をしています。
趣味で楽しんでいる程度の身としては「そこまでは…」とか、「本格的すぎて参考にならない」と正直飛ばしてしまう部分もありました。
しかし、写真を趣味として長く楽しんでいくために「取り入れたら便利そうなこと」や「無理のない楽しみ方のヒント」そして「写真を上達させるためのヒント」など「趣味としての写真のある生活を充実させるヒント」をもらえた気がしてとても感銘を受けたので、紹介したいと思います!
- 風景写真を上達させたいが、テクニック本は見飽きた
- カメラを買ったがいまいち楽しめてない
- マンネリ化してきた
- エッセイ本好き

私のようなカメラ初心者からプロ志向の方まで幅広く。
そして「読みもの」としても楽しめる本だと思います!
- 【準備編】
- 【機材編】
- 【移動編】
- 【撮影編】
- 【食事編】
- 【レタッチ編】
- 【生き方編】
という7章で構成されている本書ですが、その中でも私自身が特に感銘を受けた
【準備編】【機材編】【移動編】【撮影編】【生き方編】の5章に限定し、この本から学び、実際に取り入れたいと思ったことを抜粋して紹介したいと思います!
また、自分なりにアレンジして実行していること、これからしていきたいことを『真似Point!』としてまとめてみました。
準備編
Googleカレンダーで予定を立てる
過去の撮影記録を蓄積することで風景のピーク時期をより正確に判断できる
準備編 01 より
風景写真が好きな方の中には、春夏秋冬の季節ならではの写真を撮るのが好きな方も多いのではないかと思います。
私はまさに季節ごとに見られる植物や景色の写真を撮るのがとても好きです。
期間が限られる季節写真は見頃を逃さないために、スケジュール管理が大切になってきます。
- 過去に訪れた日時・場所・開花や紅葉状況(8分咲き・色付き始めetc..)などの詳細を記入しておく
⇒見頃時期など予想しやすくなり時期を逃さずに済む! - カレンダーにGooglemapの地図リンクを貼り付けておく(マイマップも貼り付けできる!)
⇒経路なども再度検索せずにすぐアクセスできるのが便利 - その時の気候や服装も記入しておく
⇒快適なお出かけができる
せっかく撮影に意気込んで出かけたものの、寒すぎて早々に切り上げたとか、暑すぎて具合が悪くなってしまったとなると、せっかくのお出かけもつまらなくなってしまいます。
そういった情報もメモしておけば、それなりの装備を準備する参考になります。
私は早速、桜撮影のお出かけカレンダーを作成してみました。
例えば桜を撮影するのに、1日に何か所もまわることはよくあると思うので、Googlemapで複数のスポットをまとめて表示できるマイマップを作成し、それを貼り付けることもできました!
これはいい!!
たまたま見つけた素敵なスポットも登録しておけば、確実に再訪することも叶います。
八木 千賀子
中部地方や伊豆諸島、八丈島をテーマに光を意識した作品を撮影している。
生後すぐに左目を失明。片目でみている世界や光を表現している。
どんな天候でも撮影できる準備をする
晴天以外の天候でも撮影できるように具体的なイメージを事前に作る
準備編 05 より
なぜか風景写真は晴れ間に撮るほうが美しく写る気がして、つい曇天や雨天だと撮影に出かけるのを敬遠してしまっていたんですよね。
「曇天にはその良さがある」というのは分かるのですが、例えば紅葉した木々を撮るのも晴天のほうが色鮮やかに写るので俄然テンションが上がる自分がいるのです。
SNSでよく見る色鮮やかな風景写真に見慣れてしまい、つい「映え」を意識してしまっていたのですが、フルタイムで働いていると「休日がいつも晴天とは限らない」ので、たまたま休日に曇天や雨天が続くと「最近写真を撮りに全然行けず、つまらない」ということになっていました。
写真家「saizou」さんは、「もともと少ないチャンスを天候が良くないからといって諦めるのは非常にもったいない」と言っており「たしかに」と思ったのです。
- 悪天候時のデメリットをしっかり理解する
- 極端な明暗差を防ぐ構図を理解する(白い空が極力入らない構図など)
- 構図内のコントラストを根気よく探す
写真は「明暗差」がドラマを感じさせるといいます。
その明暗差が出にくい悪天候の時はさまざまなコツを取り入れ、理解してイメージが作れるようになると悪天候時の撮影もきっと楽しめるはずなのです。
saizou
風景を中心に日本や海外のさまざまな被写体を撮影している。
写真愛好家のたログカメラ「ログカメラ」を運営。自分が写真を始めて得られた素晴らしい経験を発信している。
機材編
自分の好きな焦点距離を知る
好きな焦点距離を把握することは得意を極めて苦手を克服することにつながる
機材編 08 より
私は「写真に自分の個性が欲しい」と思っています。
写真を始めてすぐなんて「好きな焦点距離」など分かるはずもなく、キットレンズのズーム機能を利用しさまざまな焦点距離で撮影していました。
しかし、そんな撮影をしていると「どういう写真が撮りたいのか、自分でもよくわからない」と感じるようになりました。
そうすると、なんだか「つまらなく」なってきてしまいます。
- 無意識によく使っている焦点距離を過去の画像データで確認してみる(とくに自分が気に入っている写真)
- まずは「よく使っていた焦点距離縛り」でいろいろ撮影してみる
- 好きな焦点距離が見極められたら、そこから「被写体との距離感」や「アングル」などを分析し掘り下げていく
「自分の好きな焦点距離を知ることは自分の個性を見出すヒントが得られる」
「好き=得意」であることも多いし、何より「好き」は楽しいですから極めやすくどんどん成長できます。
分析し、掘り下げ、たくさん撮影することで個性も出てきやすくなるのでは?と思うようになり、ワクワクしてきて楽しくなるのです。
まずは、自己分析をしっかりしていきたいと思います!
萩原 れいこ
嬬恋村、志賀高原、沖縄県をメインフィールドとし、森や海などの風景を撮影している。
自然の営みを見つめ、命の美しさや尊さを発信している写真家。
移動編
あえて遠回りをしてみる
無意識のうちに隣に寄り添うマンネリ化を防ぐために新しい地図を広げる
移動編 12 より
連休ともなれば行動範囲も変わってきますが、普段の休日に撮影に出かける場所ってだいたい決まってきませんか?
「あれを撮るならここ」そのあとはお決まりコースで周れば間違いなし。みたいな。
そうするとやはりマンネリ化してきて「写真もなんだか代わり映えしない」ということになるんですよね。
写真家「清家 道子」さんは、そんなマンネリ化を防ぐために「あえて遠回りをする日を設けている」のだそう。
「根拠のない目的地を決めて、そこに向かう」というちょっと冒険的なことをしているそうだが、私は根拠のない目的地はちょっと不安なのでww
私なりに以下のように取り入れていこうと思いました!
- 定番目的地へのルートを変えてみる
⇒電車ではなくバスを使う、一駅手前で降りて歩いてみる、レンタサイクルで移動、車ならものすごい遠回りしてみるのも面白そう! - ランチや休憩は必ず「初めて」のお店を選ぶ
いつもと違う乗り物を使うだけで「新しい発見」がきっとあるし、「探す」過程も楽しい。
「初めてのお店」という目的地に向かう途中にも「新しい景色」がきっとあるはず。
ただの「移動」を変えるだけで、もしかしたら無限に楽しめるのかもしれません。
清家 道子
カラーコーディネーターから風景写真家に転身。
地元九州での撮影に力を入れており、絶景よりも小さな風景で自分らしい視点を大切にした作品作りをしている。
行き先は現場で決める
行き当たりばったりってこと?やはり写真には冒険はつきものなのか?!
と思ったのですが、写真家「萩原れいこ」さんは「臨機応変」と「当意即妙」を大事にしているのだそうです。
不測の事態が次々と発生してもうまくいかないことを楽しむ
移動編 15 より
風景写真に「不測の事態」はつきもの。
それこそ天気や目的の植物は見頃時期ではなかったなど、自然相手なので起こりうること。
「行き先をおおむね決めておいても、それに執着しないことが大切」
- 日頃から撮影地をよく観察しておく
方角の把握(時間帯によっての光の入り方を理解しておく)、どんな植物があるか(見頃時期の把握)
⇒目的の被写体が見頃でなくても、違う被写体を把握しておけば違う楽しみ方ができる - 目的と違う状況でも諦めずに、その時の状況を楽しむか潔く場所を移動する
⇒日頃から視野を広げておくことで、どんな状況でも撮影を楽しめるようになる
周辺の「違う撮影スポット」を知っていれば、潔く諦めて移動して楽しめる
「思っていた状況と違うから、今日はやめる」のではなく、臨機応変に楽しんでいけるように日頃から「観察すること」を取り入れていこうと思いました!
撮影編
近場に自分のフィールドを持つ
身近な場所の第一人者になれれば絶景でなくても作品が撮れるようになる
撮影編 19 より
写真家「清家 道子」さんがオススメする「写真表現のトレーニング術」です。
「自分らしい写真」を目指している私としては、すぐに取り入れてみよう!と思いました。
いわゆる「絶景」を撮りたい人には「なんか違う」のだと思いますが、私はなんでもない日常の写真でも「和泉さんらしい写真だね」と言ってもらえるような「自分の世界観のある写真」を目指しています。
- まずは無理なく通える場所にフィールドを持つ
⇒神奈川県在住の私の好きな場所は「湘南」「横浜」「箱根」。この中で徹底的に撮りまくる場所をこれから限定していきたい - 場所が限定できたら、被写体の少ない殺風景な季節や場所でも「自己表現」できるように、工夫しながらたくさん撮影していく
「この場所といえばあの人」と言われるくらいに徹底的に撮って撮って撮りまくる
同じ場所でそこの魅力を引き出す工夫をたくさん試していくことで、自分の世界観を見つけることができるはずと信じてやってみたいと思います!
広角・標準・望遠の目を養う
ひとつの被写体でバリエーションを出すには視野の範囲を意識して変える
撮影編 21 より
「同じ場所から同じレンズで撮り続ける」ってやりがちなんですよね。
結局、長い時間撮影してた割には同じような写真が撮れてないってことありませんか?
私はよくあります。
写真家「喜多 規子」さんはそんなことを防ぐために「広角・標準・望遠を意識的に使い分ける」ようにしているのだそうです。
- まずは広角で1枚撮るようにする
⇒後に撮影現場の状況がよくわかるので「情報」として必ず撮る - 標準域で主題と副題をしっかりと決めた写真を撮る
⇒今まで副題まで考えず撮影していたので、今後はしっかりと考えて撮影できるようにしていきたい - 望遠で気に入った部分を切り取った写真を撮る
焦点距離を変えて撮影を繰り返すことで、それぞれの焦点距離の特徴や良さをうまく利用できるようになるはず。
私はついつい「横撮り」ばかり撮ってしまいがちなので、「必ず縦撮りも撮る」ということも加えていきたいと思います!
道端でも積極的に撮る
写真が趣味になってよかったと思ったことの一つが「ただのお散歩もカメラがあると何倍も楽しくなった」こと。
被写体をつぶさに観察することで風景の些細な変化に気がつくようになる
撮影編 24 より
いつものお散歩コースも「小さな被写体を探す」ことで、不思議と今まで気にも留めなかったものがキラキラして見えるもので、ワクワクが加わり非常に楽しくなりました。
写真家「萩原 れいこ」さんは「道端だけでの作品づくりを習得すると、いざ素晴らしい風景を目の前にしたとき、容易にシャッターが切れるようになる」と言っています。
風景写真上達の手段としても効果的ということですね。
- 道端で「小さな被写体」を探すようにしてみる
⇒「光」の差し込み方なども意識して観察する - 被写体を見つけたら「それをどう撮るのか」を考えながら撮る
⇒ただ何となく撮るのではなく、自分なりの魅せ方を意識する
生き方編
他人とは比較しない
高い目標の実現に向けて努力を続ければ向き合うべき対象は自分であるとわかる
生き方編 43 より
写真に限られたことではなく、人は漠然と「認められたい」とか「注目されたい」という欲求がどこかにあるものではないかと思います。(もちろん人によると思うが)
「フォトコンテストで入賞する」「SNSでバズる」といったことを目標としている方もたくさんいると思います。
「目標を持つ」というのは素晴らしいことで、目標があればそれに向かって努力することにつながるので、上達することや充実感も得られやすくなる。
しかし、なかなかその目標が達成できず、うまくいかなくなると「他人と比較」してしまうようになります。
「焦り」が増幅すると心の平穏が保てなり「好きなこと」が「苦しいこと」に変わってしまいます。
そうならないためにも、他人と比較せず「自分なりの目標」を持つことが大切です。
- 「どんな写真が撮りたいのか」具体的な目標を設定する
⇒「定番の風景写真」とプラスαで「自分なりの視点の写真」を必ず撮る - とにかく「マイペース」を大切にする
いい写真だと感じたときは細かく分析
構成要素の役割が理解できると鑑賞者の心に訴えかけられる写真が撮れる
生き方編 45 より
「いい写真」とはどんな写真でしょうか?
私的には「なんだか心動かされる写真」をいい写真だと思っています。
写真家「saizou」さんは、そんな自分がいいなと思った写真を「どんなところに心を動かされたのか、その理由を探すクセ」をつけるといいと言います。
- 自分が撮った写真で気に入ってるもの、人の写真でいいなと思ったものは具体的な好きな所を細かく書きだす。
⇒構図・色(ポイントとなっている色、ホワイトバランスetc)・物語性など
「ざっくり」ではなく、「細かく」分析することで写真を構成する要素の役割が分かってくるかもしれません。
これを理解できるようになるのは、とっても難しそうですが「追及」していくことで「自分の思ういい写真」が撮れるようになるかも!と信じています。
攻撃的な行動を避ける
これは撮影時においての「マナー」のことです。
自分さえよければ良いという考えを捨てて感謝の気持ちを持って撮影に臨む
生き方編 49 より
私は以前、撮影に夢中になり、通路を塞いでいることに気づかず、すごく嫌な顔をされてしまったことがあります。その時はなんだかすごく恥ずかしい気分になりました。
公共の場は「写真を撮っている人優先」なんて場所はどこにもありません。
日本は優しい人が多いので、写真を撮っている人がいたら邪魔にならないように立ち止まったり、前を通らないように気遣ってくれる方がたくさんいますが、それは当たり前ではありません。
写真家「藤原 嘉騎」さんは「公共の場で撮影するときは、常に撮らせてもらっているという感謝の気持ちを忘れないようにしたい」と言っています。
- 無意識の行動でも人を不快にさせてしまうことがあるということを忘れない
⇒常に周りの状況を確認しながら撮影する - カフェなどの店内での撮影は必ずお店側に撮影許可を得る
⇒言えない時は撮らない
藤原 嘉騎
元プロスノーボーダーで25ヵ国以上を旅するトラベルフォトグラファー。
独学で経験を重ね、常に勉強を続け新しい現像技術を取り入れている。
まとめ
「カメラ初心者である私自身が取り入れていけそうな事」を抜粋した内容での紹介なので、偏りがあるかと思います。(初心者の私には理解しきれない難しい部分もありました)
写真だけではなく、その他の仕事や趣味などへの「取り組み方」「姿勢」を学べて「生き方」のヒントをもらえた気がします。
機材やテクニックについての具体的なこだわりなども紹介されているので、そういった面でのプロの考え方を知りたい方にもきっと参考になる内容ではないかと思います。
全ページフルカラーで掲載している写真は、個性があり美しく、写真を見るだけでも楽しい一冊でした!(それぞれ撮影データの記載ありです)